旬のさかな

3・4月 さより・はちめ

グルメの街金沢の台所、近江町市場で1924年創業。高級鮮魚一筋の忠村水産が地元石川のお魚を四季に合わせてご紹介いたします。

ここでは、ハチメ(メバル)と細魚(サヨリ)をご紹介します。

 はちめ(メバル)

ヤナギバチメ、茶バチメ、黒ハチメ(メバル)など、種類の豊富なハチメの仲間は日常の食卓にのぼることの多い、おなじみのお魚です。
煮物や焼き物が多いですが、刺身にしてポン酢醤油にトウガラシをかけて食べるのは旬ならではの美味しさです。

 効能

淡白な味のハチメにはビタミンCが多く含まれ、美肌にいいといわれています。
(出典:北國新聞社発行『いしかわの四季のさかな』)
また、ハチメはメバルともいい、とても目が大きいお魚です。昔から「目の病にいい」という言い伝えがあり、能登の行事「あえのこと」では神様に捧げるお魚になっています。神様って目が悪かったのかしら・・・

 プロから一言

ハチメは釣り好きな人なら近くの海で釣れるお魚ですが、近江町市場で出すハチメは大きめのものが多いので、お刺身にして旬ならではの味を味わってほしいですね。

 庶民派のハチメは地元のみんなに愛されているのだ!

■ ハチメのお刺身

ハチメのお刺身は地元でしか味わえない貴重品です。
活きのいいハチメは身がしまり、歯ごたえがあって、とても上品な味です。うすーく切ってポン酢醤油とアサツキ、トウガラシで、まるでフグのお刺身のようにして食べると、とっても美味しいのでした。

■ ハチメのお味噌汁
お刺身で余った残(ザン)はブツ切りにしてお味噌汁にどうぞ。ダシがたっぷり出て、もぉ〜のすごく美味しいですよ。小ぶりのハチメはそのままお味噌汁に使うことも。小ぶりのほうがお味噌汁としては美味しい場合もあります。
■ ハチメの塩焼き

ハチメの定番は塩焼き。身離れのいいハチメはむきやすく、子供にも喜ばれるお魚です。

■ ハチメの煮付け

ハチメは煮付けも美味しく仕上がります。
薄味でさっと煮付けたもの、少し甘辛く煮たもの、いずれもハチメ本来のコクのある味を引き出すことができます。

 魚(サヨリ・さより)

ツンと突き出た下アゴがトレードマークのサヨリは、細魚、針魚、鈴魚などの呼び方がありますが、奥能登では「スズ」という愛称で呼ばれています。
石川県では「花見魚」として、春の県魚にも指定されています。
美しい白い外見に似ず、ハラワタは真っ黒。2隻の漁船がペアになって船の間に網を張って走りながら獲ります。

 効能

サヨリの身は低脂肪、高たんぱくで、健康食品の代表です。ビタミンCも多く含まれ、美肌にもいいとされています。
(出典:北國新聞社発行『いしかわの四季のさかな』)

 プロから一言

ヘルシー食品の代表格ともいえるサヨリは、最近お寿司屋さんでも人気のネタですね。身全体が美しく銀色に輝き、骨まで透き通って見えるような透明感のあるものを選んでいます。

 サヨリは美人・麗人の代名詞

銀色に光り、細身で颯爽と泳ぐサヨリは昔から美人、麗人のたとえとして使われてきました。ここでは、サヨリが出てくる和歌や俳句、歌などを集めてみました。

橋影に 失せてはのぼる サヨリかな(作:吾 亦紅)
サヨリが集団で泳ぐ姿は壮観。銀色の帯が同じ方向に移動するかと思えば、その中の何匹かは空中を飛ぶこともあります。
ちりやすくあつまりやすくサヨリらは(作:篠原 梵)
さっと散ったかと思うとまたすぐに集まるサヨリ。身が細いだけに動きは俊敏です。
海図など 要らぬ感の サヨリ漁(作:つじ 加代子)
サヨリは船2艘で引き網漁を行います。サヨリは海の表層を泳ぐので集団はすぐにわかるのですが、すっと逃げられることが多く、サヨリ漁は漁師泣かせの漁であるとか。
干し上げて さよりに色の 生まれたる(作:後藤 比奈夫)
活きたサヨリは身が骨まで透き通るような美しさ。刺身のほか、一夜干しで食べるのが一般的ですが、干すと身が白くなります。
サヨリはうすい サヨリはほそい 銀の魚
サヨリきらりと光れ サヨリお姉様に似ている(童謡 作:北原白秋)
サヨリは昔から美人麗人の例えとして使われてきました。しかし、その外見に似ず、ハラワタが真っ黒なので、腹黒い人を「サヨリのような人」と言うときもあります。
この歌のお姉様は美人のほうでしょうか、腹黒のほうでしょうか???

 石川の「今が旬のお魚」

石川県は四季を通して美味しいお魚に恵まれています。クリックすると、お魚の詳しい情報がゲットできます。なお、旬の定義は地元石川県を主体にしております。


1・2月 
鰤・鱈

3・4月 
さより・はちめ

5・6月 
甘鯛・鯵

7・8月 
赤イカ・岩牡蠣

9・10月 
甘えび・かれい

11・12月 
蟹・なまこ