旬のさかな

1・2月 鰤・鱈

グルメの街金沢の台所、近江町市場で1924年創業。高級鮮魚一筋の忠村水産が地元石川のお魚を四季に合わせてご紹介いたします。

ここでは厳冬シーズンが旬の鮮魚、鰤(ぶり・ブリ)と鱈(たら・タラ)をご紹介します。

 鰤(ぶり・ブリ)

金沢の冬の魚と言えば「ブリ」。ブリは出世魚で成長にしたがって名前が変わります。金沢では小さいものから、コゾクラ、フクラギ、ガンド、ブリと呼んでいます。関東では天然ブリに対して養殖ブリをハマチと総称しています。
特に厳冬の時期に獲れる脂ののったブリは「寒鰤」と呼ばれています。

 効能

たんぱく質やビタミンB類のほか、DHAやEPAも多く含まれ、高血圧・脳卒中・貧血・骨軟化症にも効果があるといわれています。
(出典:北國新聞社発行『いしかわの四季のさかな』)

 プロから一言

ブリは目やエラがしっかりしたものを選んでいます。天然物は数が少ないので今や貴重品ですが、やっぱりあのコリコリした歯ごたえや脂のしまり具合は養殖物には真似のできない味ですね。

 ブリにまつわる金沢の風習や郷土料理

  ブリおこし 金沢では11月後半から12月にかけて雷が多くなります。この時期に雷がなると冬が荒れる兆候なのですが、荒れた冬にはブリが大漁になることから、この時期の雷を「ブリおこし」といいます。
  娘の嫁ぎ先へブリを贈る 金沢ではブリはお正月に欠かせない食材。特に嫁に出した娘の嫁ぎ先へは暮れになるとブリを贈る習慣があります。近江町市場の忠村水産でもいいブリを求め、沢山のお客様が訪れます。
  かぶら寿し
金沢の代表的な郷土料理で、青かぶらにブリの塩漬けを挟んだ糀の漬物です。お寿司じゃないんですよ。江戸時代は加賀百万石の藩主前田家への献上品でした。かぶらとブリが獲れる冬の時期に漬け込みます。
  ぶり大根
金沢の代表的な郷土料理で、寒鰤のアラと大根を醤油味で煮込んだ料理。脂ののったブリとさっぱりとした大根がとてもよく合います。金沢の料亭や割烹では冬、必ず味わえる料理の1つです。お店によって醤油の味加減や生姜の使い方が違うので食べ比べも面白い。
  いなだ
冬が旬のブリを夏に食べるため、塩漬けして天日干しした保存食です。新巻鮭のブリ版ですね。薄く切って酢やみりんをかけて食べるとお酒の肴にぴったりです。昔は将軍家への献上品や兵糧としても珍重されていました。

 鱈(たら・タラ)

タラといえば通常「マダラ」を指します。この時期は産卵期でもっとも美味しくなる季節です。もう1つのタラである「スケトウダラ」は、身がカマボコの原料、卵巣はおなじみのタラコ(北陸ではモミジコという)になります。
石川県では2月ごろに七尾湾で獲れるタラが最も美味しいと言われています。

 効能

タラにはたんぱく質はもちろん、ビタミンB群、ビタミンDが多く含まれ、低カロリーなのでダイエットによいお魚といわれています。
(出典:北國新聞社発行『いしかわの四季のさかな』)

 プロから一言

冬にはタラ鍋が最高ですね。タラは捨てるところがほとんどない魚ですから、1本丸ごと買うととてもお得。もちろん、ご要望に応じて捌いてお届けしますから、ご安心ください。

 タラを美味しく食べる

タラはどの部分でも美味しく食べられる、ありがたいお魚だけにレシピも豊富。ここでは部分ごとにどうやって食べているか、ご紹介しましょう。

タラを1本丸ごと捌いた様子。身や子はもちろん、頭から内臓までほとんど美味しい料理に変身します。

■ 淡白な身は一工夫したお刺身に・・・

タラの子をお刺身にまぶした、子付け。

昆布でお刺身を〆た、昆布じめ。

■ アラやキモは鍋で絶品のダシに・・・

キモは沸騰したお湯でさっと通し、臭みを抜くと美味しい

■ 白子は酢の物、子はもみじこに・・・

白子は実は雄の精巣。酢の物でさっぱりと

■ 身を干して保存食に・・・

カラカラに干した棒だらを水で戻して醤油で煮るととても美味しい。金沢の代表的な正月料理。

 石川の「今が旬のお魚」

石川県は四季を通して美味しいお魚に恵まれています。クリックすると、お魚の詳しい情報がゲットできます。なお、旬の定義は地元石川県を主体にしております。


1・2月 
鰤・鱈

3・4月 
さより・はちめ

5・6月 
甘鯛・鯵

7・8月 
赤イカ・岩牡蠣

9・10月 
甘えび・かれい

11・12月 
蟹・なまこ